渡航までの経緯
出発までの準備
研究面では、ルーヴェンに戻った水野教授と3−4回、オンラインミーティングを重ねてKU Leuvenで実際にどのようなことをするか、打ち合わせを行ったそうです。このように教授と直接、話をする機会が得られたことは渡航前の不安を取り除く一助になったのではないかと思います。
生活面については、中塚さんは高校時代にスーパーサイエンスハイスクールのカリキュラムの一環で2週間ほどアメリカに滞在したことがあるそうで、英語での生活に対するイメージは湧いたとのこと。ルーヴェンはベルギーの首都ブリュッセルから約30キロにある大学街でオランダ語圏に属しており、表記などはオランダ語ですが学生さんや店員さんとのやりとりなど、英語で多くの用が足りるなというのが実際に訪問した時の印象でした。
現在の生活
お話を伺ったのが2月の初めでルーヴェン到着から2週間ほどが経った頃、少しずつ生活にも慣れてきつつも、非常に刺激的な毎日を過ごしていると話してくれました。住まいは大家さんの家族とのルームシェアで、日々英語でのコミュニケーションを体験しつつプライバシーも確保されて快適な様子。欧州の物価高や円安の影響もあり、外食は控えてなるべく自炊、お昼は大学のカフェテリアを利用しているとのこと。スーパーマーケットでは様々な食材にチャレンジして日本とは異なる食文化を楽しんでいるそうです。
研究の方はちょうど試薬が届いたタイミングだったようで、いよいよ実験に取りかかれる、と嬉しそうでした。平日は他のラボメンバーと同様、朝10時ごろに研究室に着いて18時ごろに研究室を去るという毎日で、毎週行われるラボミーティングにも参加しているそう。研究生活について日本と大きく異なる点はないが、こちらのラボメンバーたちはオンとオフの切り替えが明確で、夜遅くや週末までラボにいることは全くない一方で、研究に対してはとても前向きで主体的に取り組んでいる人が多くラボの雰囲気も明るく感じられる、と話してくれました。英語力の向上が今の課題の一つとのことで、その克服のために他のラボメンバーと積極的にコミュニケーションを図っている様子も見られました。
![]() |
![]() |
今後について
まずはルーヴェンでの研究を通じて専門的な知識や技術を身につけ自身の研究を進めることが当面の目標。同じ研究を京都大学の実験設備で行うことも決して不可能ではないが、このような環境に身を置けること自体がとても刺激になるので、水野教授から直接指導を受けられるこの機会を最大限に活かし、英語力を含めて成長に繋げたい、また、初めてのヨーロッパ滞在でもあるので、週末などを利用してルーヴェンやベルギーに限らない異文化体験もしたいと、これからの滞在中の展望を語ってくれました。1425年創設のルーヴェン大学は2025年に創設600周年を迎え、様々な行事も予定されているようです。100年に一度のルーヴェンのお祝いムードも体験できますように。
中塚さんは修士課程を終了後、博士課程の進学を予定しているとのことで、将来のキャリアパスに向けて自分と向き合い、様々な可能性を知る時間にもなるかもしれませんね。
今回のルーヴェン訪問に当たって、中塚さんとの面談を快くアレンジしてくださったKU Leuvenの水野秀昭先生、本学の沼田圭司先生にあらためて御礼申し上げます。