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講演: ハンス・マーティン・クレーマ 教授(ハイデルベルク大学・東アジア研究センター・日本学科)
解説:谷川 穣 准教授(京都大学・文学研究科・歴史文化学専攻歴史文化学講座)
日時: 2018年10月26日 (金) 18:30〜20:00(受付18:15〜) 会場: 京都大学吉田国際交流会館1階南講義室 (吉田南構内) (http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r_ys.html) 言語: 日本語
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要旨
日本仏教は様々な意味で、明治期の前半において著しい変化を受けた。僧侶たちは従来檀家制度を通じて生計を立てていたが、宗教的なメッセージによって新しい信徒を直接説得しなければならなくなった。こうして仏教演説が流行ったことに加え、他にも様々な新しい発展が見られる。例えば、海外への宣伝の開始、宗派を超えた入門書の執筆、社会福祉施設や学校の設立、世界宗教の一部であるという意識の出現などである。それらの変化をもたらした要素の一つとしては西洋の影響があげられる。先行研究においては、このような影響は認識されているものの、詳細な分析が行われることはなかった。
本発表ではこの近代日本仏教の西洋的起源を明らかするため、明治10年代前後に渡欧し、思想や実践に関して国際交流を経験した日本仏教僧侶たちに焦点をおく。そして彼らが日本だけではなく、ヨーロッパにも残した遺産について発表を行う。
開催報告
プログラム
18:30 | 開会挨拶 |
18:40 |
レクチャー ハンス・マーティン・クレーマ 教授(ハイデルベルク大学・東アジア研究センター・日本学科) 「近代日本仏教の西洋的起源―19世紀における日欧交流史の一側面」 |
19:15 |
解説 谷川 穣 准教授(京都大学・文学研究科・歴史文化学専攻歴史文化学講座) |
19:35 | 質疑応答、ディスカッション |
20:00 | レセプション |
20:30 | 閉会 |
司会進行:ザビーネ・シェンク(ハイデルベルク大学 京都オフィス)、鮎川慧(京都大学欧州拠点)
参加登録
10日22日(月)までに氏名、所属機関を記載の上、以下のメールアドレス宛ご連絡ください。
ハイデルベルク大学京都オフィス(HUOK)
メール: info@huok.uni-heidelberg.de
電話: 075-753-5413
講師プロフィール
ハンス・マーティン・クレーマ 教授
ハイデルベルク大学・東アジア研究センター・日本学科
専門は日本近代史。デュッセルドルフ大学、ボーフム大学、上智大学、東京大学にて修学後、ハーバード大学と国際日本文化研究センターでの客員研究員の滞在を経て、2012年から現職。博士論文のテーマは20世紀半ばの日本における高等教育改革の議論と実践。教育史、宗教史や人間と動物との関係史に関する著作を発表している。近年は、宗教の近代的理解に対する日本の仏教徒の国内外における貢献について研究を進めている。
谷川 穣 准教授
京都大学・文学研究科・歴史文化学専攻歴史文化学講座
京都大学において、学部・大学院生から人文科学研究所の助教をへて現職に至るまで、一貫して日本近代史の研究に従事している。とりわけ明治期の教育と仏教を起点に、社会・思想・政治の諸問題について、一次史料をもとに実証的に考察している。近代日本における知的権威の存立・変容や、人間を「変えられる」という観念の歴史的形成などにも、関心を広げつつある。2014年から1年間、ハーバード大学にvisiting scholarとして滞在、昭和初期のキリスト教関係史料調査・収集にも従事した。
※日独ジョイントレクチャーは、相互にオフィスを持つハイデルベルク大学と京都大学が、両大学の学術交流の深化と発展を目指し、不定期に開催しています。