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講演:安部 浩 教授 2017年シーボルト賞受賞者(京都大学 人間・環境学研究科)
解説:イェンス ・ハイゼ 講師(ハイデルベルク大学・哲学研究科)
日時: 2018年7月19日(火)18:15〜19:45(受付18:00〜)
会場: Alte Universität, Aula, Heidelberg University 住所: Grabengasse 1, Heidelberg |
要旨
近代日本哲学の精華の一つである和辻倫理学。これに和辻自身は「人間(存在)の学」という定義を与えています。だが「人間の学としての倫理学」というこの規定はそもそも何を言わんとするものなのでしょうか。その時と処、そして更にはそのつどの文脈に応じて不断に変化して已まない実践的な営みである個々別々の<人と人との間柄>から、その間柄の成立を絶えず下支えしている(しかも時と処の別に関わらず普遍的な)地盤たる<倫理>へ溯源すること-<人間の学より倫理学へ>というこうした企図こそが、前掲の規定の真意である消息を詳らかにすること。これが拙話の第一の目標です。
しかるにこの倫理が普遍性を有するという和辻の主張は一体どのような仕方で正当化されうるのでしょうか。その為には、翻って今度は逆に倫理の方から出発して、時と処の別に応じて千差万別なる<人と人との間柄>や道徳規範が当の倫理より(しかもそれのみから)導出される所以を示す<倫理学から人間の学へと向かう道>が必要になる筈です。和辻すらも未踏にとどまったと思しきこの道なき道を暗中模索することが拙話の第二の狙いであります。
開催報告
プログラム
18:15 | 開会
安部 浩 教授(京都大学 人間・環境学研究科) |
18:20 |
挨拶 ディーター・へ―ルマン国際担当副学長(ハイデルベルク大学) |
18:30 |
レクチャー 安部 浩 教授(京都大学 人間・環境学研究科) 「倫理学としての人間の学?-和辻倫理学再考」 |
19:10 |
解説 イェンス・ハイゼ 講師(ハイデルベルク大学・哲学研究科) |
19:30 | 質疑応答、ディスカッション |
19:45 | 閉会 |
司会進行:ザビーネ・シェンク(ハイデルベルク大学 京都オフィス)・鮎川慧(京都大学 欧州拠点)
参加登録
参加ご希望の方は7月16日(月)までに氏名、所属機関を記載の上、以下のメールアドレス宛ご連絡ください。
京都大学欧州拠点(KUEC)
メール: info_eu@oc.kyoto-u.ac.jp
電話: +49-(0)6221-54 30034
講師プロフィール
安部 浩 教授
1971年生。1993年京都大学文学部哲学科中退、1999年同大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、京都大学博士(人間・環境学)。同大学同研究科助手、総合地球環境学研究所助手、京都大学大学院人間・環境学研究科助教授・准教授、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨学研究員を経て、2016年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。2017年度フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞(ドイツ連邦共和国)受賞。2018年度夏学期ミュンヘン大学(LMUMünchen)哲学科客員教授。専攻は、西洋哲学(存在論、論理学、環境思想)、日本哲学。著書に『「現」/そのロゴスとエートス―ハイデガーへの応答』(晃洋書房)、『ハイデガー読本』(共編著、法政大学出版局)、『続・ハイデガー読本』(同)、『京都学派の遺産―生と死と環境』(共著、晃洋書房)。
※日独ジョイントレクチャーは、相互にオフィスを持つハイデルベルク大学と京都大学が、両大学の学術交流の深化と発展を目指し、不定期に開催しています。