2025年2月に本学メディカルイノベーション大学院プログラム(Medical Innovation Program=MIP)から選ばれた4名の博士課程学生で構成される海外派遣選抜プログラム(Global Talent Expedition Program=GTEP)のドイツ研修をサポートしました。このプログラムの目的は、海外の機関を訪問して、アカデミア及びノン・アカデミアのキャリアオプションについて知り、そこで働く方々と直接、交流することにあります。約1週間の滞在のうち、欧州拠点は初日のハイデルベルクと3日目のミュンヘンでの訪問先アレンジを支援しました。
研修には、MIPのプログラムコーディネーター渡邉大教授(医学研究科)と担当の鈴木忍教授(成長戦略本部兼医学研究科)が同行されました。事前に鈴木教授からドイツにおけるイノベーションのエコシステムを知る機会にしたい、という要望も頂戴しており、それも念頭に訪問先の候補を提案、参加予定だった学生さんともオンラインミーティングを行ったり、メールでやり取りをするなどしてプログラムの計画を立てていきました。
一行は2月16日に到着、その夜はハイデルベルクにある欧州分子生物学研究所(EMBL)で博士課程研究員をしている本学卒業生も交え、夕食をとりながら歓談しました。
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夜のハイデルベルク城を背景に |
EMBLの研究環境や海外渡航の動機など懇談 |
翌17日の朝はハイデルベルクの新興の創薬会社を訪れた後、ハイデルベルク大学の技術移転を担うhei_INNOVATIONを訪問しました。そちらでは同組織の成り立ちや支援内容の説明を受けたり、実際にハイデルベルク大学で起業した2社の創業者がプレゼンテーションをしてくれました。続いて隣接するドイツがん研究センター(DKFZ)に移動し、同センターでの研究やエコシステムについて話を聞きました。また、DKFZで博士課程研究員として在籍している日本人研究者にも同席いただき、ご自身の経験に基づいた日独の研究環境の違いや日常生活の様子、将来展望についてお話を伺うことができました。
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hei_INNOVATIONにて | DKFZの概要紹介 |
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DKFZのイノベーションマネージャーと | 欧州拠点を訪問 |
18日は訪問団のみで企業を訪問、19日にミュンヘンで合流しました。午前中は欧州拠点が親しくしているミュンヘン工科大学(TUM)が同大学の病院訪問をアレンジ、Graduate Center of Medicine and HealthやTUMベンチャーラボの研究者らがそれぞれの取り組みを紹介してくださいました。更に本学学生による研究発表もプログラムに組み込んでもらい、各々5分程度のプレゼンの後に教授、研究者らと非常に活発な質疑応答が行われて充実した時間となりました。
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待ち合わせ場所のTranslatTUM |
TUMでの交流の様子 | TranslatTUMのエントランスホールにて |
午後はそれぞれ分かれての企業訪問で、JETROミュンヘンの方に日本の製薬会社とドイツのバイオテクノロジークラスターをご紹介いただきました。学生自身がコンタクトをとって訪問の詳細を取り決めていたようです。
欧州拠点はこのように若手研究者の欧州での活動・滞在を支援しています。今回のドイツ訪問がGTEP参加者の皆さんの次のステップを考えるきっかけになると幸いです。
あらためてご協力いただいた関係機関の皆様にも深く御礼申し上げます。