2025年2月26日に第22回日独ジョイントレクチャーを開催しました。 同レクチャーは京都大学欧州拠点とハイデルベルク大学オフィス京都の共催で京都またはハイデルベルクで行われているもので、ハイデルベルクで開催する日独ジョイントレクチャーとしては2019年6月以来、コロナ禍後初めてとなります。「日本仏教における『身の曼荼羅』:新たな視点から考える東アジア哲学の本質」と題し、人と社会の未来研究院の亀山隆彦特定准教授を講師に、ハイデルベルク大学のマイケル・レディッチ(Michael Radich)教授をコメンテータにお迎えしました。
冒頭、亀山准教授は仏教における基本的な「身(体)」の捉え方から日本仏教における「身(体)」について解説、日本の密教の教義である「即身成仏」と曼荼羅へと話を展開されました。そして、真言宗の開祖である空海の身体観を曼荼羅、梵字、仏像の印相などを交えながら述べ、更に一般にはほとんど知られていない天台宗の僧侶、安然が提示した日本の仏教教義における新しい「形而上学」を東アジアの仏教の形而上学と比較、安然の身体観に触れられました。それらを受けて、最後に曼荼羅と身体の新概念である五臓曼荼羅について述べて亀山准教授の講演は終了しました。
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続いて、レディッチ教授が講演についてコメント下さいました。レディッチ教授も仏教学がご専門で、2016年には“Perfected Embodiment: A Buddhist-Inspired Challenge to Contemporary Theories of the Body”という身体論と仏教に関する論文を発表されています。亀山准教授が講演で指摘された点をより広い概念でとらえてコメントをされました。
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神野智世子(京都大学欧州拠点)とサビーネ・シェンク
(ハイデルベルク大学京都オフィス)の挨拶 |
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亀山隆彦特定准教授の講演 |
会場には事前登録を大きく上回る聴衆が訪れ、学生を中心に非常に活発な質疑応答が行われました。また、レクチャー終了後も参加者同士、あるいは講師、コメンテータを囲んでしばらく議論が続いていました。
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亀山隆彦特定准教授 |
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マイケル・レディッチ教授 |
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質疑応答の様子 |
その他
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